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            メール・マガジン

       「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第029号        ’00−01−28★

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     ギブなしテイクのみ

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●かつて「一年の計は

 

元旦にあり」など申しましたが、<正月>というものが大して厳粛でなくなって

しまったこの頃、「今年こそはこれで、、、」と大上段に掲げる人、、、なんて

もう、いないんじゃないかな?  未だいるのかな?

 

、、という間に、もう、その12分の1が過ぎてしまう。  Time flies 、、!

 

 

「一年の計、、」は、世の中の動きが緩やかだったころの話でしょうな。 こう

目まぐるしく追い立てられる時代になっては、降りかかって来るものと戦うだけ

で精一杯、、、かも知れない。 が、それじゃ<流される>というか、ただ翻弄

されている感じ。 人生の<あるべき姿>?  まさか。

 

*   *

 

特に若者が<流される>ままに漂っている姿は、メデタイどころじゃありません。

少年老いやすし、だぜ、キミら。 シッカリしないと、一生、半人前だぞ。

 

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●成人式のTV報道

 

は、それを典型的に見せてくれました。 <普通>じゃ話題にならない、だから

ヘンなのばかり映し出す。 ヘンなのを見せるから、さらにヘンなのが増えます。

TV局の責任を問いたい、、が、局自体も<ヘンなの>の集落だろうし、、ね。

 

とにかく式典が意味をなさない。 まるで「オトナにはならない」と決心したかの

ような若者たち。 まったく親の顔が見たいよ。 どう教育してあんな風に仕上げ

たのかね? <製造者>責任、感じないのかな? 感じるわけない、、か、、、

 

 

会場<前>にたむろして喋り込み、<中>には入らない。 何のためにそこまで

足を運んだのやら? ただ群れていたいだけかな? 会場に入ってもケータイで

連絡しあい、講話そっちのけ、、どころか席を立ち、ゾロゾロ出て行ってしまう

グループも現われる、、 せっかくの催しも台無し、の心寒い眺め。 

 

傍若無人というか、マイペースというか、着飾っているだけに、かえって知性や

たしなみの無さばかり印象づけられる。 周囲への配慮とか状況への適応という、

オトナなら当然の心の働きが見られない。 これが<成人>の<式典>かね?!

 

さらに場外のインタビュー。 特別ヒドイのを選んだのでしょう、レポーターの

リードも知的ではなかったのだろう、カメラに向かった彼らの口から出て来たの

は幼稚な言葉、悪ふざけの類。 カワイイとか面白いとか思っているらしいが、、

 

*   *

 

技法的に解釈すると、これは主催者と参加者、双方のステートメントのすれ違い。

一方は「新成人に社会人としての自覚を持たせる」つもり、他方は「仲間同士の

顔合わせ」。  前記否定的感想は、もちろん主催者側の見方で、の話です。 

 

某所では、参加者本位方式、記念品なしの<立食パーティ>としたところ、大変

好評であったという。 やっぱり、集まって喋り合いたいだけだったんだ、、、。

 

*   *   *

 

ま、<ヒドイの>ばかりではないにしても、ほぼこういう傾向の若者が、いずれ

何か一役を受け持つようになる。 それをとりまとめて行く立場の皆さん、実に

ご苦労様であります。   ささやかな提案: 初めに<課題>を一致させよう。

 

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●企業活動の趣旨は

 

基本的に、<世のため、人のため>でありましょう。 問題は、これから社会人と

なる層が、その趣旨に適うように教育されてはいないこと。 前記のインタビュー

でも、「人の役に立ちたい」という類の抱負は全く表明されませんでした。

 

実は私自身も昨年の夏、それを体験しました。 対象は某私立大学3年生の男女。

いよいよ就職活動に入るというのに、「自己分析」とやらが不十分。 面接落第は

必至。 研修講師の経験から、何かヒントを授けてやって欲しい、、、という依頼

に応じたのです。 1コース約20名を3コース、延べ約60名。

 

 

要領は Rational Process <決定分析>の MUST 、WANT。 しかし術語は用いず、

「就職先を選ぶに際して思いつく条件」として書き出してもらうこととし、その

作業を促進するツール<希望条件リスト>も提供しました。  それには、

 

就職希望先の事業や業務の内容や傾向を5カテゴリー、求職者たる本人の

特性を描き出す手がかりを7カテゴリー、どれにも具体的な<希望>の短い

例文を平均10項目以上示してあります。 もちろんこれらは<記述例>で、

思い付くことは何でも宜しい、取りあえず20項目ほど出して下さい、と。

 

*   *

 

しかし慣れない作業、自分のことではあるが、頭を抱えるばかり、手間取ります。

そこで「約20名」を3グループに分け、中の一人を特定し、「その人の状況を

皆で描き出してあげる」演習としました。 これなら岡目八目、見えやすかろう。

 

計120以上の例文を手がかりに、その人に適合すると思われる項目を模造紙に

書き出す、ワイワイガヤガヤの気安い作業。 それを9回(3グループ3コース)

行なった結果、<全グループに共通の傾向>が浮上しました。 それは、

 

世の中の大原則「ギブ・アンド・テイク」の無視。 求職者側の待遇的希望だけ

の「テイク専門」です。 極端に言えば、「カッコいい楽な仕事で、高い給料。

少ない労働時間で、休日・休暇はタップリ。 通勤時間は短く、転勤は無い。

責任は軽く、昇進が速く、手に職がつく、、」のが希望だ、というムシの良さ。

 

率直ではあるが、ムキダシ。 そうなるかなと些か期待しての「何でも宜しい」

でしたが、見事すぎるほどの応え方に恐れ入りました。 <リスト>には職業を

通じての社会的貢献、国際的交流・展開の可能性、就職希望先に提供できる

自分の特性など、ギブ項目も沢山あったのに、何故か注目されなかったようで。

 

*   *   *

 

決定分析では、MUST、WANT を手がかりに、それらを実現する方法は何か、と

考えて案を立てて行きます。 従ってここでは、そんな(ムシの良い)希望を

叶えてくれるのはどこか、で業種、企業、あるいは職種を見立てるのですが、、、

そういう結構な先はあるはずが無い、と一目瞭然。  これが第一の教訓。

 

求職者らしく行儀良くしていても、実はとんでもないエゴのカタマリだ、と見て

取られてしまうことも間違いない。 そのつもりではなかったろうけれど、描き

出されたのは何ともイヤな奴の姿、ですから。 「自分で思っている<自分>と、

ひと様の目に映っている<自分>の違い」の体験です。  これが第二の教訓。

 

それらに留意しつつ、2度目のグループ作業をして頂く。 今度は良くなる、、

はずなのですが正直、多少ガッカリ。 大して改まらなかったことがその証明、

この世代の「テイク専門、ギブ欠如」は、まことに強烈きわまるものです。

 

*   *   *   * 

 

いかに<断絶の時代>でも、やはり子は親を見て育つ。 親たちは意識してなど

いなかったろうけれど、「テイク」本位「ギブ」不足を日常的に実演していたの

かも知れません。 いや、むしろ、「テイク」だけで行け、と言い聞かせたかも?

 

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●利他的利己主義

 

と申します。 遺伝子がすでに利己的なのだそうですから、人間の行動が利己的

になるのは当然、恥じる必要はありません。 が、そうムキダシでは、叶いにく

かろう。 <利他>ワン・クッションを噛ませ、あなたOK、私もOK、で。

 

「ギブ・アンド・テイク」の語順に従って、まずギブ、相手さんへのサービスを

先にしなくては、、、と締めくくったのですが、、、 彼ら、ワカッタかな?

 

 

しかし世の中、昨年来オカシイ話だらけ。 謹言実直の代表かと思った金融界や

警察の不祥事、教職者の不始末、、、しかも<若者>ではない<オトナ>の世界

での「テイク」オンリー。 <恥の文化>どこへやらの真性エゴイズム。

 

いったいどんなステートメントで? 何を MUST、WANT として? と訊きたい

くらいだが、多分ご本人たち、そんなこと意識してはいないでしょう。 その

「無意識で」そうする、というところがコワイ。 「真性」、疑いの余地なし。

 

*   *

 

<ひと様の目に映っている自分、自部署、自社>を描き出してみることは、時に

必要です。 我々が達成しようとしているのは何か? を明らかにしておくこと

によって、新人の迎え入れや指導も<意識>的に行なうことが出来るでしょう。

 

それは Rational Process のステートメント、MUST、WANT で。  いかが?

                             ■竹島元一■

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